2013 私が選ぶベスト仏像10+α

印象強かった関東の秘仏


前回の記事「2013 拝観寺社・展覧会リスト」で書き出した、昨年2013年の私の全仏像体験の中から、あくまでも個人的嗜好と思い入れとその時の偶然的状況の結果ではありますが、印象深かった仏像をランキングしてみました。

 

【2013 私が選ぶベスト仏像10】

第10位:山梨 大善寺 薬師三尊

以前大善寺を拝観した時は厨子に秘されていましたが、5年に1度の御開帳ということでようやく対面。決して大きくはないものの平安初期的なゆったりとした量感や佇まいに魅了されました。別の大きな日光・月光菩薩や個性的な十二神将とともに、内陣は豪華で賑やかな素晴らしい群像感があります。

第9位:千葉 常灯寺 薬師如来坐像

本来は毎年1/8の午前中のみの御開帳のようですが、2013年前半の関東仏像界を席巻した千葉市美術館「仏像半島」展で初めて拝見。半丈六ほどの実サイズ以上の圧倒的存在感。光背もゴージャス。如来かくあるべしというお姿でした。

第8位:奈良 称名寺 阿弥陀如来坐像

「新TV見仏記(1)奈良編」で観て以来ずっと拝観したかった阿弥陀様。毎年5/15の珠光忌のみの公開で、ほぼ同サイズの釈迦坐像と並んで祀られています。両手を胸の前に構え、それぞれ親指と中指で輪を作る中品中生の来迎印がとても優雅。

第7位:大阪 藤田美術館 地蔵菩薩立像(快慶作)

快慶ファンとして長年観たかった像。秋季展「美しき日本」に出展。東大寺の快慶地蔵よりは小さめ、白い肌と赤い唇は明らかに女性的ですが、快慶らしいキリッとした眼差しはさすがです。鮮やかな彩色と截金も見事。

第6位:奈良 融念寺 地蔵菩薩立像

斑鳩のお寺の恵宝殿という収蔵庫に安置。鼻が高いエキゾチックな顔立ちで、衣の裾をつまみ上げるような不思議な姿に見飽きることはありません。地蔵菩薩ということになっていますが、神像とも比丘像ともいう説もあるそうです。ご住職の話では、顔は俳優の大沢たかおに似ていると言われることもあるとか(笑)。並び立つぽっちゃり体型の聖観音も素敵でした。

第5位:山梨 立川不動堂 不動明王坐像

甲府盆地のぶどう畑の中を通る線路沿いにぽつんとある鄙びた小さなお堂。その中を覗くと丈六の不動明王が鎮座しているという状況にまず驚きます。この環境なので表面の傷みはありますが、かえって不動明王らしい荒々しさを感じました。

立川不動堂 不動明王坐像

立川不動堂 不動明王坐像

第4位:奈良 興福寺南円堂 不空羂索観音坐像

2013年前半の関西仏像界の中心はこのお方でした。今回の特別公開期間にやっと拝し、ただただその完璧な姿とスケール感、堂内の空間とともに織りなす宇宙に圧倒されました。夢中で見つめながら、あらゆるアングルの姿を目に焼き付けるべく堂内をぐるぐる回るしかなかったです(笑)

第3位:千葉 小松寺 薬師如来立像

房総半島の圧倒的な仏量と多様性を示した「仏像半島」展の中でもこの存在は際立っていました。正面は平安初期的な重厚感がありながら、横から観ると奇妙なほど薄い体躯、不自然な猫背。表情も非常に神秘的。畏怖の念を感じずにはおれないまさに秘仏。

第2位:神奈川 金剛寺 阿弥陀如来坐像

自分の故郷の市唯一の重文に初対面。年1日のみ公開。平安末の定朝様とはいうものの形式化による凡庸さや弱いだけの優美さはなく、やや無骨な顔つきと堂々とした体躯は東国らしい逞しさ。故郷の宝に誇りを感じました。

※公開日は毎年春の「あつぎ飯山桜まつり」期間中の1日のみで日にちは不定です。詳しくはまつりの前に厚木市のサイト等でお確かめください。

第1位:東京 普明寺大日堂 大日如来坐像

2013年、最も印象深かったのは意外にも東京の仏像、しかも普段好きと公言している阿弥陀ではありませんでした。また、実は今回初拝観ではなく2回目でしたが、にも関わらず前回以上の感銘を受けました。内陣で拝観できるのは毎年秋の東京都文化財ウィーク中の11/3のみ。左右に阿弥陀と釈迦を配し、中尊として堂々と鎮座する姿は遠目でも素晴らしいですが、接近すると、三如来を収める巨大で豪華な三扉の厨子、内陣の重厚で厳かな雰囲気とも相まってまさに宇宙の中心の圧倒的存在感。これが自分が暮らす東京の仏であることも誇らしいです。

※内陣で拝観できるのは上記1日のみで10時と14時に開帳。正月三が日は外陣から(8~17時)、毎月1日と15日は堂外から格子越しに拝観可。

 

以上、一応ベスト10を選んでみましたが、本当はとてもこれでは収まりきらないほど多くの個性的で素晴らしい仏像に出会いました。以下にその中からいくつかピックアップしておきたいと思います。

 

【2013 その他の印象に残った仏たち】

岐阜 千光寺 金剛力士立像吽形

東京国立博物館「飛騨の円空」展にて。生木の立木に刻んだという異形さに驚きました。

千葉 萬満寺 仁王像

あまりにカッコよく強い、鎌倉時代の慶派仁王の究極。

萬満寺 仁王像 阿形

萬満寺 仁王像 阿形

萬満寺 仁王像 吽形

萬満寺 仁王像 吽形

奈良 吉田寺 阿弥陀如来坐像

内陣奥、やや離れたところにおられるのがかえって来迎っぽさを感じさせます。穏やかに優しく見守ってくれる「ぽっくり寺」の丈六阿弥陀様は大きな安心感を与えてくれました。

大阪 葛井寺 千手観音菩薩坐像

ついにお会いした国宝仏。真に千本の手が放つオーラ、落ち着いた表情。西国札所の霊場感が厳かな堂内と、人々で賑わう庶民的な境内も魅力。

大阪 四天王寺 観音菩薩・勢至菩薩立像

宝物館秋季名宝展「極楽浄土へつづく道」 と、サントリー美術館「天上の舞 飛天の美」展で拝見。踊るように片足を後ろに跳ね上げた軽快でかわいらしい姿。本来は今のように中尊の阿弥陀の脇侍ではなく、浄土図に描かれる舞菩薩を立体化したものではないかとのことですが、平安初期的量感、巧みな人体表現や表情も素晴らしく、魅入りました。

静岡(伊豆) 指川薬師堂 薬師三尊

上原仏教美術館「癒しの仏 薬師如来」展にて。平安仏がペンキで塗られているという衝撃の問題作。でも、お堂と仏像を守り伝えてきた地域の人々の、傷んだ仏様をなんとかしたいという素朴な信仰心と、このような展示や地道な調査による地方における文化財保護の努力とのせめぎあいの最前線を見た思いで、かなりユーモラスになってしまったその姿とはうらはらに、信仰の対象であり貴重な文化財でもある仏像という存在について深く考えさせられました。

 

今年2014年はどんな仏像に出会えるでしょうか。去年にも増して御開帳や仏像関連の展覧会も多いようなので、とても楽しみです。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

w

%s と連携中