龍峰寺 千手観音[神奈川]

希少な東国の清水式

【御開帳】元旦と3月17日(大祭)の年2回


このブログを始めて、昨年(2013年)のマイベスト仏像ランキングの発表や最近観た展覧会の振り返りを記事にしてきましたが、ようやくお寺で拝観した仏像のことになります。まず最初に先日正月の帰省の折に拝観した故郷の仏像について2、3記事にしてみようと思います。

正月元旦、神奈川県海老名市、龍峰寺の清水式千手観音の御開帳に行ってきました。

ここにお寺があることは子どもの頃から知っていました。実家が引っ越す前、生まれて最初に住んでいた場所の近くで、お寺が建つ丘の斜面にある公園に友だちと自転車でよく遊びに行っていたからです。しかし、この公園は「清水寺公園」と呼ばれていたので、当時はこのお寺もてっきり「清水寺」というのだと思っていました。

海老名市 清水寺公園

海老名市 清水寺公園

ただ、今回お寺で購入した冊子によると、元々この地には「清水寺」というお寺があり、今回御開帳の清水式千手観音もその本尊でした。後に近くにあった龍峰寺という禅寺の末寺となり、龍峰寺自体も昭和になってこの地に移ってきたことから「清水寺」という地名だけ残ったらしいのです。

ここに重要文化財の、しかも珍しい清水式の千手観音が祀られていることは子どもの頃は知る由もなく、後に仏像を観るようになってしばらく経ったつい数年前に知った時には、「清水寺」という地名とまさかこんな形で繋がっていたとはと本当にビックリしました。

自分が遊んでいたン十年前の清水寺公園には木製のフィールドアスレチックがたくさんありましたが、今はとても長いすべり台が1つあるのみで、ずいぶん様相が変わっています。子どもの目にはもっともっと広い場所に見えたんですけどね…

現在の清水寺公園の様子

現在の清水寺公園の様子

さて、思い出に浸るのはほどほどにしてお参りをしましょう。正面に仁王門。この赤い門と、中に何か大きな仏像らしきもの(つまり仁王)がいたことは子どもの頃の記憶にもうっすらとあります。

龍峰寺 仁王門

龍峰寺 仁王門

仁王門にかかる観世音菩薩の提灯

仁王門にかかる観世音菩薩の提灯

仁王は江戸時代の作。阿形228センチ、吽形223センチ。

龍峰寺 仁王阿形

龍峰寺 仁王阿形

龍峰寺 仁王吽形

龍峰寺 仁王吽形

仁王門をくぐると梵鐘があり、参拝者が並んで撞いていたので、自分もひと撞きして観音堂(旧清水寺本堂)へ。ここにはお前立ちの千手観音が祀られています。サイズは小さいですが清水式です。

龍峰寺 観音堂

龍峰寺 観音堂

観音堂の真後ろに収蔵庫があり、ここにこの日御開帳の重文の清水式千手観音が安置されています。長蛇の列というほどではないですが、地元の方も今日が一年のうちでもこの観音様を拝める貴重な機会ということをよく知っているようで、お参りの人が途切れることはありませんでした。

清水式千手観音を安置する収蔵庫

清水式千手観音を安置する収蔵庫

全国的にも珍しく、こと東国においてはさらに珍しい清水式千手観音。頭上に化仏を揚げる細長い腕。像高192センチ。下半身に翻波式衣文などがあるので一瞬平安初期の仏像かとも見えますが、上半身や顔は鎌倉時代的な若々しくキリッとした感じで、眼は玉眼です。この旧清水寺は鎌倉時代初めに源頼朝によって復興されたとのことで、この千手観音もその時に古様を模して作られたものではないかということです。

千手観音立像

千手観音立像

小顔で、すらっとしたスタイルがよい像です。

この千手観音のことを知ってすぐ、3年前の元旦に初めてこちらに拝観にきましたが、実はそれ以前にも、奈良国立博物館で2008年に開催された「西国三十三所」展に、霊験像のかたちとご利益が地方に伝えられた例として出展されていて、そこでお会いしていたはずなんです。でもその時は龍峰寺という寺名を知らなかったので、まさか昔から知っていたお寺の仏像だとは思いもしませんでした。

そんな不思議なご縁でようやくこの場所で拝むことができた観音様には、やはり特別なものを感じます。

そういえば、かつて清水寺といわれ、京都の清水寺にちなんだ特殊な観音像が祀られるこのお堂は、古来より「水堂」の名でしたしまれていたとか。収蔵庫の前にはその名が書かれた古い石碑も立っています。

水堂と書かれた石碑

水堂と書かれた石碑

その名と関係があるのかわかりませんが、確かにこの辺りはきれいな湧き水がよく湧いていて、「清水寺公園」の行き帰りに寄ってよく遊んでいた記憶もあります。

また、龍峰寺があるこの丘からは相模の霊峰・大山がよく見え、相模川も近くを流れています。そういう意味でもこの地は地勢的にも古くから重要な場所だったのかもしれません。すぐ近隣には相模国分寺・国分尼寺跡もあり、この旧清水寺も元は国分尼寺境内にあった湧河寺(これも「水」に関係のある寺名では?)がルーツだそうです。

龍峰寺の建つ丘から大山を望む

龍峰寺の建つ丘から大山を望む

なお、千手観音の御開帳は、毎年正月元旦と3月17日の大祭の2回です。

[拝観日:2014年1月1日]

 

瑞雲山 龍峰寺

【住所】神奈川県海老名市国分北2-13-40

【電話】046-231-5074

【拝観料】無料

【アクセス】小田急線・相鉄線・JR相模線の海老名駅から徒歩約20分

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