川崎大師(平間寺) 大開帳奉修[神奈川](前編)

10年に一度の本尊厄除弘法大師御開帳と「赤札授与」行列

【御開帳・赤札授与】10年に一度の春約1ヶ月間(期間・日程は年による。平成26年は5月1日~5月31日)


川崎大師 平間寺

川崎大師 平間寺

川崎大師といえば、正月の初詣の参拝者数ランキングで毎年全国トップ3に入ることで有名ですが、私は同じ神奈川県内の出身にも関わらず、実は今まで一度もお参りしたことがありませんでした。こうして仏像拝観をメインにお寺を巡るようになっても、「仏像」という面で川崎大師の名前を目にすることはなく、今まで参拝の機会がありませんでした。

しかし今年は10年に一度の御開帳で「赤札」というありがたいお札がいただけるというので、御開帳期間の5月に入るとお寺好きのフォロワーさんが多い私のTwitterのTLがにわかに賑やかになり、毎日誰かが行っているという状態になりました。私は今年まで御開帳のことも赤札のことも知らず、しかも赤札のためにものすごい行列で何時間も並んでいるという噂を聞いて、正直何が起きているんだろうと思いましたが、TLの盛り上がりにもなんとなく乗りきれず、御開帳といっても国宝や重要文化財といったものではなく御本尊の写真なども観たことがないためピンとこず、当初は静観するつもりでいました。

ところが、ちょうどタイムリーにNHK BSプレミアムの『新日本風土記』という番組で、御開帳に湧く川崎大師と日々暮らしの中でお大師様とともにある地元の人々の姿を観てだいぶイメージが具体的になり、興味が湧いてきました。第二次世界大戦の空襲で伽藍が焼かれ、いわゆる文化財などは残っていないかもしれないけど、それでもいつも参拝者でにぎわい、地元の人々に親しまれ、戦後、伽藍の復興も成し遂げたというのは、逆にそれだけ厚い信仰を集めているということで、そう考えると御開帳の1ヶ月間、引きも切らず赤札行列ができるのも、少しわかるような気がしました。

また、10年に一度というスパンの絶妙さもあるのかもしれません。10年といえば人の人生の節目としてわかりやすく、「ありがたいお札をいただいて10年先まで元気に暮らしたい」「10年後もこうして家族そろってまた赤札をもらいに来よう」というように希望や目標を立てやすい年月ですし、子どもの場合はその成長が楽しみな期間ともいえます。そこで私も、自分が10年後も元気でいたいと思うのはもちろんですが、実家の母のこと、つい最近子どもが生まれたばかりの妹家族のことを思うと、ぜひ今年赤札をもらっておきたい!と思うにいたり、「よし、3回並んで3枚いただこう!」という決意のもと、ついに行ってまいりました。

 

品川を経由して京浜急行で行きましたが、大師線という路線を持つだけあって駅は川崎大師御開帳一色。川崎駅からの大師線の乗客はほぼ全員が川崎大師駅で降りました。そして早くも駅から赤札目指して走りだす人たちも…。予想のさらに上をいく熱さに驚きつつ、私もつられて小走りで向かいます。

川崎大師大開帳ムード一色の京急駅構内

川崎大師大開帳ムード一色の京急駅構内

赤札は御開帳期間中、本尊を祀る大本堂で決まった時間に日に6回ほど行われる護摩修行の後、「貫首の感得によって」授けられます。この「感得によって」というのがミソで、つまり護摩の後毎回必ず出るというわけではないというのです。私は11時の護摩を狙って、11時5分頃、列の最後尾に合流しましたが、すでにこの長蛇の列。

川崎大師の赤札列

川崎大師の赤札列

列整理の奉仕の方が掲げる「赤札授与待ち列 最後尾」の看板

列整理の奉仕の方が掲げる「赤札授与待ち列 最後尾」の看板

列を仕切るのは通常の制服の警備員のほか、法被をきた恐らく地元の方と思われる奉仕団の方々。すでに会期終盤になり慣れてきたこともあると思いますが、列で長時間待つ参拝者の疲れをほぐすように時折声をかけたり冗談を言ったりしながら、それはもう見事なさばき具合でした。また、列といっても、前に順々に進んでいく形ではなく、まず境内の端、薬師殿前の広場にブロックに分けて並ばせ、そのブロックごとに前に誘導するシステム。これなら、常に落ち着かない状態でダラダラ進んで行くこともなく、お年寄りなどは携帯用の折りたたみ椅子に腰掛けて待つこともできます。

待つこと約1時間ようやく自分のブロックも移動を開始。薬師殿前の広場を離れ、少しずつ境内の中心に向かって進んでいきます。ここからは意外と早く、スルスルと進んで12時20分頃、御本尊が祀られ護摩が行われた大本堂に入堂。脱いだ靴をあらかじめ渡されていたポリ袋に入れ、御本尊に向かって外陣から内陣へと列を進みます。

川崎大師 大開帳奉修期間中の境内の様子

川崎大師 大開帳奉修期間中の境内の様子

大本堂

大本堂

外陣の端まで進んだ列が折り返し、稚児大師像を過ぎ、いよいよ内陣へ。大本堂は昭和39年落慶の鉄筋建築ですが、豪華な天蓋や灯籠など内陣の荘厳さはさすが全国初詣ランキングトップ3のお寺という感じです。

御本尊は霊験あらたかな「厄除弘法大師」。平安時代、この地に住んでいた平間兼乗(ひらまかねのり)が、夢枕に現れた高僧のお告げにしたがい、海の光り輝いている場所に網を投じ引き揚げたと伝わっています。川崎大師の正式名称「平間寺」(へいけんじ)も兼乗の姓に由来します。

お姿は通常の弘法大師像とほぼ同様です。屋根のついた大きく豪華な厨子に安置され、厨子の前には御戸帳(みとちょう)呼ばれる大きな金襴の幕がかかっていますが、その幕の中央部が午前6時から午後4時まで開けられ、御開帳となります。御本尊は内陣の厨子のすぐ前で拝めましたが、けっして大きな像ではなく、厨子内に高く積まれた座布団の上に座しておられるので距離もあり、あまりはっきりとは見えません。全身が真っ黒なのも関係し、顔は輪郭ぐらいしかわかりませんでした。

ほとんどの参拝者は手を合わせてすぐに立ち去るので列はどんどん流れていきますが、厨子の前に列から一歩外れて立てるスペースが少しだけあるのでそこに留まって拝んだ時に一応単眼鏡でも観てみましたが、Vixenの明るい4倍単眼鏡をもってしても暗くて表情まではわかりませんでした。もちろん一応試みただけで、はっきり見えなくても存在や気配を感じられただけでも十分だと思いますし、それが本来の御開帳というものだとも思うのです。全体的な印象としては、どちらかというとちょっと細めのお大師さんでしたね。ほかのよく目にする大師像のようなガッチリとした骨太なタイプのお方ではなかったようです。

また、本尊厨子に向かって右に不動明王坐像。無駄な誇張がなく変にカッコよすぎないところが味があっていいと言いますか、ちょっと渋い感じのおじさんといった雰囲気のお不動さんでした。厨子向かって左は頭上に弓矢を構える天弓愛染明王坐像。お大師様をささえる強力タッグのお二人でした。

さて、御本尊を拝んだ後はいよいよ赤札授与です。が、少々長くなったので続きは後編で。

[拝観日:2014年5月27日]

 

川崎大師(金剛山 金乗院 平間寺)

【住所】川崎市川崎区大師町4-48

【電話】044-266-3420

【拝観】大開帳奉修:10年に一度の春約1ヶ月間(期間・日程は年による。平成26年は5月1日~5月31日)
〈本尊開帳時間〉6:00~16:00

※通常拝観時間等の記載は特にありませんが、自身拝観日当日は17時にはほとんどのお堂が閉まっていました。

【拝観料】特になし

【アクセス】京浜急行大師線・川崎大師駅下車、徒歩8分。
または、JR川崎駅東口バス乗り場7番より川崎鶴見臨港バス「大師行」(川23系統)に乗車。「大師」バス停下車、徒歩8分。

【川崎大師公式サイト】http://www.kawasakidaishi.com/

【平成26年大開帳奉修公式サイト】http://www.kawasakidaishi.com/daikaicho26/

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